■縮小三角形の問題(その4)

 (その3)において,a^2+2b^2=3c^2について,阪本ひろむ氏が1000位までの整数を総当たりで調べてくれたが,条件を満たすa,b,cはなかったと書いた.

 ところが,一松信先生を囲む談話会に参加されている渡邊芳行氏から,100までの整数で総当たりを行い,整数倍になる組を外すと137組あったとの連絡を頂いた.

 渡邊芳行氏は

  a^2+λb^2=(λ+1)c^2

について計算し,λ=2の場合だけでも

  (a,b,c)=(5,13,11),(5,23,19),(19,61,51),(19,71,59),(23,37,33),(25,47,41),(29,59,51),(43,97,83),(47,83,73),(53,73,67)

の10組が記されてある.

 どうやら阪本氏はa^2+2b^2=3c^2をa^2+b^2=3c^2と勘違いして計算したようだ.誤りのお詫びにλが100くらいまで,a,bが1000までの計算結果を送ってくれた.

 阪本氏の計算結果は

  c^2=(a^2+λb^2)/(λ+1)

三角形であるから,2辺の和は他の1辺より大きい.a,bの最大公約数が>1のときはすでに求めた組み合わせの整数倍なので除外すると,渡邊氏の10組に加えて

 (23,13,17),(25,11,17),(29,11,19),(47,23,33),(47,83,73),(53,37,43),(95,59,73),(95,73,81)

も見つかったようである.

 もちろん,λが有理数の場合も整数解は存在する.たとえば,

  λ=4/3   (a,b,c)=(2,5,4)

  λ=4/3   (a,b,c)=(9,5,7)

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