三角形を7等分したときに,
(1)正三角形
(2)√2:√3:√5の直角三角形
(3)1:√3:2の直角三角形
の場合には元の図形と相似になることがわかったのだが,他にはないのかどうか調べてみた(中川宏).
===================================
まず,下図のように座標をとった.7等分された三角形の最も長い辺の長さを1とし,その向かいの頂点の座標を(a,h)とした(h<0).このとき,7等分された三角形の3辺の長さに関しては,
α^2=a^2+h^2
β^2=(1+a)^2+h^2
γ=1
もとの三角形の3辺の長さに関しては,
A^2=(2-3a)^2+9h^2
B^2=(1+2a)^2+4h^2
C^2=(3-a)^2+h^2
と表すことが出来る.
さて,もとの三角形の辺の長さと7等分された辺の長さが決まりきった対応関係にあれば話は易しいのだが,この場合は形状によっていくつかの入れ替わりかたがあることが経験的にわかっている.そこで,すべての組み合わせを網羅して漏れをなくす必要がある.すべての組み合わせは,
@α−A Aα−A Bα−B Cα−B Dα−C Eα−C
β−B β−C β−C β−A β−A β−B
γ−C γ−B γ−A γ−C γ−B γ−A
である.
相似比が1:7なのでたとえば@の組み合わせの場合は,
7α^2=A^2,7β^2=B^2,7γ^2=C^2
の3式を満たす解が存在するかどうか,さきほどの数値を代入して確かめてみた.
7(a^2+h^2)=(2−3a)^2+9h^2
7{(1−a)^2+h^2}=(1−2a)^2+4h^2
7=(3−a)^2+h^2
これらは,
2a^2−12a+2h^2+4=0
3a^2−18a+3h^2+6=0
a^2−6a+h^2+2=0・・・・(*)
となり,同じ式となった.
この式に意味があるかどうかを確かめるために特定の値を入れてみた.a=1のとき,h=√3となり,これは1:√3:2の直角三角形と一致した.a=1/2のとき,h=√3/2となり,これは正三角形を示した.
AからEの場合もすべて調べてみた.@とおなじような結果を示したのは,Bの場合である.3式とも,
3a^2−4a+3h^2−1=0・・・・(**)
となった.この式は,a=1のとき,h=√3/2となり,これは,√2:√3:√5の直角三角形と一致した.a=1/2のとき,h=√3/2となり,これは正三角形を示した.
また,AとEの場合は,唯一の解a=1/2,h=√3/2が求まった.これは正三角形を示している.残りのCとDの場合はそれぞれの3式を満たす解がなかった.
次に,(*),(**)式にa=1,a=1/2以外の値を適当に入れて作図してみた.左が(*)式においてa=2の場合,右は(**)式においてa=3/4の場合である.いずれも相似図形となった.また,左のように鈍角三角形もカバーしている.
以上の検討から,(*)(**)の両式は有効とみなしうるので,hが正の数の範囲において,7等分した三角形が元の三角形と相似図形になる(a,h)の組み合わせを図示する.
===================================