■直角三角錐の分割(その2)

 直角三角錐

  P0(0,0,0)

  P1(1,0,0)

  P2(1,1,0)

  P3(1,1,1)

をtetradronと呼ぶことにする.tetradronをその最長辺の垂直2等分面で切断すると,4交点

  (1/2,1/2,1/2)

  (1,1/4,1/4)

  (1,1/2,0)

  (3/4,3/4,0)

を結ぶ図形は凧型となり,凧型面を境に2つの合同な5面体(pentadron)に分割できるというおもしろい性質がある.

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【1】n次元の場合

 n次元の場合,テトラドロンに相当する多面体の座標は

  p0(0,0,・・・,0)

  p1(1,0,・・・,0)

  p2(1,1,0,・・・0,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・

  pn-1(1,1,1,・・・1,0)

  pn(1,1,1,・・・1,1)

であるから,p0pnを結ぶ対角線の中点

  (1/2,1/2,1/2,・・・,1/2,1/2)

を通る超平面

  x1+x2+x3+・・・+xn=n/2

と各辺の交点を求めてみる.

 4次元の場合は

  (1/2,1/2,1/2,1/2)

  (1,1/3,1/3,1/3)

  (2/3,2/3,2/3,0)

  (1,1/2,1/2,0)

  p2(1,1,0,0)

で交わる.したがって,x1+x2+x3+x4≦2の部分をとると,7頂点

  q0(0,0,0,0)

  q1(1,0,0,0)

  q2(1,1,0,0)

  q3(1/2,1/2,1/2,1/2)

  q4(1,1/3,1/3,1/3)

  q5(2/3,2/3,2/3,0)

  q6(1,1/2,1/2,0)

が元素の頂点となる.q2〜q6は超平面x1+x2+x3+x4=2上にある.これが768個で4次元立方体を組み立てることができる.同様に,x1+x2+x3+x4≧0の部分をとって比較すると,辺や対角線の長さが等しいことから,2つの合同な分割体になっていることがわかる.

 5次元の場合は9交点

  (1/2,1/2,1/2,1/2,1/2)

  (1,3/8,3/8,3/8,3/8)

  (1,1,1/6,1/6,1/6)

  (5/6,5/6,5/6,0,0)

  (5/8,5/8,5/8,5/8,0)

  (1,3/4,3/4,0,0)

  (1,1/2,1/2,1/2,0)

  (1,1,1/4,1/4,0)

  (1,1,1/2,0,0)

で交わるから,x1+x2+x3+x4+x5≦5/2の部分をとると,12頂点

  q0(0,0,0,0,0)

  q1(1,0,0,0,0)

  q2(1,1,0,0,0)

  q3(1/2,1/2,1/2,1/2,1/2)

  q4(1,3/8,3/8,3/8,3/8)

  q5(1,1,1/6,1/6,1/6)

  q6(5/6,5/6,5/6,0,0)

  q7(5/8,5/8,5/8,5/8,0)

  q8(1,3/4,3/4,0,0)

  q9(1,1/2,1/2,1/2,0)

  q10(1,1,1/4,1/4,0)

  q11(1,1,1/2,0,0)

が元素の頂点となる.q3〜q11は超平面x1+x2+x3+x4+x5=5/2上にある.これが7680個で5次元立方体を組み立てることができる.これも

2つの合同な分割体になっているのである.

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