単純多面体に対しては,デーン・サマービル関係式
fk=Σ(0,k)(−1)^j(n−j,n−k)fj
単体的多面体に対しては,デーン・サマービル関係式
fk-1=Σ(k,n)(−1)^n-j(j,k)fj-1
が成り立つ.そして,
(f0,f1,・・・,fn-2,fn-1)
をうまく並べるとパスカルの三角形に似た再帰公式が得られる.
[参]ツィーグラー「凸多面体の数学」シュプリンガー・フェアラーク東京
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【1】n次元立方体の基本単体の半切体
2次元の(f0,f1)=(3,3)
3次元の(f0,f1,f2)=(6,9,5)
4次元の(f0,f1,f2,f3)=(7,15,14,6)
に引き続き
5次元の(f0,f1,f2,f3,f4)=(12,30,34,21,7)
6次元の(f0,f1,f2,f3,f4)=(13,42,64,,55,28,8)
であると思われる.
すなわち,二項係数(n,r)において,n<rのときは0と約束すると,j次元胞の個数fjは
[1]nが奇数(n=2k−1)のとき,
fj=(2k+1,j+2)+(k,j+1)−2(k+1,j+2)
f0=k^2+k
f1=k(k+1)(2k−1)/2
[2]nが偶数(n=2k)のとき,
fj=(2k+2,j+2)+(k+1,j+1)−2(k+2,j+2)
ただし,j=0のときかこれに+1,すなわち,f0=k^2+k+1
f1=k(k+1)(2k+1)/2
奇数→偶数(3次元→4次元,5次元→6次元)については,2項の和が次の値になるというパスカルの三角形に似た漸化式は正しいようである.これは偶数次元のとき切断面がひとつの頂点を通るという特殊性が強くきいているせいである.
偶数→奇数への漸化式は(もしあるとしても)まったく別の形になるはずである.
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【2】雑感
これらは初歩的な組み合わせ的方法によるものである.まだ吟味が不十分であるし,整理不足で若干不満が残る(もっと整った形になるはずである).また,n=2のとき例外になる(fn-1≠n+2)理由など,まだよくわからない点も多い.いずれにせよ上述したことは中間報告であって,要再検討.
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