(その2)(その3)では「4次元平行多面体の元素の形」を求めたが,今回のコラムでは「5次元平行多面体の元素の形」を計量してみることにする.
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【1】n次元の立方体の基本単体の分割
立方体[0,1]^nに対して,
on(0,0,0,・・・0,0)
o0(1,1,1,・・・1,1)
を結ぶ対角線の中点
(1/2,1/2,1/2,・・・,1/2,1/2)
を通る超平面
x1+x2+x3+・・・+xn=n/2
と各辺の交点を求めてみることにします.
計算の都合上,pk=on-kとおきます.
p0(0,0,・・・,0)
p1(1,0,・・・,0)
p2(1,1,0,・・・0,0)
・・・・・・・・・・・・・・・・
pn-1(1,1,1,・・・1,0)
pn(1,1,1,・・・1,1)
ですから,直線p0pnは
x1=x2=・・・=xn
で表されます.したがって,p0pnとの交点は
(1/2,1/2,1/2,・・・,1/2,1/2)
直線p1pnは,
x1=1,x2=・・・=xn
したがって,p1pnとの交点は(1,(n−2)/2(n−1),・・・,(n−2)/2(n−1)).n=5の場合は(1,3/8,3/8,3/8,3/8)となります.
直線p2pnは,
x1=x2=1,x3=・・・=xn
したがって,p2pnとの交点は(1,1,(n−4)/2(n−2),・・・,(n−4)/2(n−2))
n=3の場合は(n−4)/2(n−2)<0となって交わらないことがわかります.n=5の場合は(1,1,1/6,1/6,1/6)となります.
直線p3pnは,
x1=x2=x3=1,x4=・・・=xn
したがって,p2pnとの交点は(1,1,1,(n−6)/2(n−3),・・・,(n−6)/2(n−3))
n=5の場合は(n−6)/2(n−3)<0となって交わりません.
直線p4pnは,
x1=x2=x3=x4=1,x5=・・・=xn
したがって,p2pnとの交点は(1,1,1,(n−8)/2(n−4),・・・,(n−8)/2(n−4))
n=5の場合は(n−8)/2(n−4)<0となって交わりません.
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次にp0を通る直線の場合を調べてみます.直線p0p1は
x2=・・・=xn=0
ですから,x1=n/2となって,n>2のとき交わらないことがわかります.
直線p0p2は
x1=x2,x3=・・・=xn=0
ですから,x1=x2=n/4となって,n≦4のときのみ交わります.
直線p0p3は
x1=x2=x3,x4=・・・=xn=0
ですから,x1=x2=x3=n/6となって,n≦6のときのみ交わります.n=5のとき交点は(5/6,5/6,5/6,0,0)となります.
直線p0p4は
x1=x2=x3=x4,x5=・・・=xn=0
ですから,x1=x2=x3=n/8となって,n≦8のときのみ交わります.n=5のとき交点は(5/8,5/8,5/8,5/8,0)となります.
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次にp1を通る直線の場合を調べてみます.直線p1p2は
x1=1,x3=・・・=xn=0
ですからx2=(n−2)/2.したがって,交点は
(1,(n−2)/2,0,・・・,0)
となります.2≦n≦4のときのみ交わります.
直線p1p3は
x1=1,x4=・・・=xn=0
ですから,x2=x3=(n−2)/4.交点は
(1,(n−2)/4,(n−2)/4,0,・・・,0)
となって,2≦n≦6のときのみ交わります.n=5のとき交点は(1,3/4,3/4,0,0)となります.
直線p1p4は
x1=1,x5=・・・=xn=0
ですから,x2=x3=x4=(n−2)/6.交点は
(1,(n−2)/6,(n−2)/6,(n−2)/6,0,・・・,0)
となって,2≦n≦8のときのみ交わります.n=5のとき交点は(1,1/2,1/2,1/2,0)となります.
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p2を通る直線p2p3では
x1=x2=1,x4=・・・=xn=0
ですからx3=(n−4)/2.したがって,交点は
(1,1,(n−4)/2,0,・・・,0)
となります.4≦n≦6のときのみ交わります,n=5のとき交点は(1,1,1/2,0,0)となります.
p2を通る直線p2p4では
x1=x2=1,x5=・・・=xn=0
ですからx3=x4=(n−4)/4.したがって,交点は
(1,1,(n−4)/4,(n−4)/4,0,・・・,0)
となります.4≦n≦8のときのみ交わります,n=5のとき交点は(1,1,1/4,1/4,0)となります.
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p3を通る直線p3p4では
x1=x2=x3=1,x5=・・・=xn=0
ですからx4=(n−6)/2.したがって,交点は
(1,1,1,(n−6)/2,0,・・・,0)
となります.6≦n≦8のときのみ交わります.
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【2】5次元平行多面体の元素の形
基本単体の頂点
p0(0,0,0,0,0)
p1(1,0,0,0,0)
p2(1,1,0,0,0)
p3(1,1,1,0,0)
p4(1,1,1,1,0)
p5(1,1,1,1,1)
と前節で求めた9交点
(1/2,1/2,1/2,1/2,1/2)
(1,3/8,3/8,3/8,3/8)
(1,1,1/6,1/6,1/6)
(5/6,5/6,5/6,0,0)
(5/8,5/8,5/8,5/8,0)
(1,3/4,3/4,0,0)
(1,1/2,1/2,1/2,0)
(1,1,1/4,1/4,0)
(1,1,1/2,0,0)
から,x1+x2+x3+x4+x5≦5/2の部分をとると,12頂点
q0(0,0,0,0,0)
q1(1,0,0,0,0)
q2(1,1,0,0,0)
q3(1/2,1/2,1/2,1/2,1/2)
q4(1,3/8,3/8,3/8,3/8)
q5(1,1,1/6,1/6,1/6)
q6(5/6,5/6,5/6,0,0)
q7(5/8,5/8,5/8,5/8,0)
q8(1,3/4,3/4,0,0)
q9(1,1/2,1/2,1/2,0)
q10(1,1,1/4,1/4,0)
q11(1,1,1/2,0,0)
が元素の頂点となる.q3〜q11は超平面x1+x2+x3+x4+x5=5/2上にある.これが7680個で5次元立方体を組み立てることができる.
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