■円環の面積(その3)

【1】パップス・ギュルダンの定理

 半径aと半径b(b<a)の同心円に挟まれた円環状部分の面積は

  πa^2−πb^2

で与えられるが,この図形は2次元の円に幅をもたせたものと考えることができる.

 そこで,帯の幅(a−b)に重心(原点からの距離:(a+b)/2)が描く円周長2π(a+b)/2を乗ずると

  円周長×幅=2π(a+b)/2×(a−b)=πa^2−πb^2

となって同じ値が得られる.

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【2】マミコンの接線掃過定理

[Q]同心円の内側の円の接線が外側の円で切り取られる弦の長さが2aであるとき,円環形の面積を求めよ.

[A]三平方の定理により,a^2=R^2−r^2→S=πa^2

 すなわち,内側の円を1点に縮めると円環形は半径aの円板になる.このとき定長aの接ベクトルが内側の円に沿って1周するとき,平行移動したベクトルは1点のまわりを1周するので,掃過円の面積は円環形の面積に等しくなるのである.

 マミコンの接線掃過定理は,内側の円を任意の凸閉曲線,凸多角形に置き換えても成り立つ.  

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