■フェルマーの発見とフィボナッチ数(その26)

横浜桐蔭学園の富永正治先生より、土曜日に実施されたトーマス(桐蔭学園数学オリンピック)の問題が送られてきた。

富永先生の解説とともに紹介したい。

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Nを自然数とするとき、自然数x,y,z,uについて2つの方程式

[1]x^2+y^2+z^2=xyz

[2]x^2+y^2+z^2+u^2=Nxyzu

について、次の問いに答えよ。

[Q][1]を満たす(x,y,z)のうち、x=y=zを満たすものとx=y≠zを満たすものをそれぞれ求めよ

x=y=z→3x^2=x^3→x=3→(x,y,z)=(3,3,3)

x=y=3→18+z^2=9z→z=6→(x,y,z)=(3,3,6)

[Q][1]を満たす(x,y,z)は無限に存在する。そのうち、x>100を満たすものを1組求めよ

(3,3,3)→(3,3,6)→(3,6,15)→(3,15,39)→(3,39,102)などなど

[Q][2]を満たす(x,y,z,u)が無限に存在するようなNを1つ求め、そのときに(x,y,z,u)が無限に存在することを証明せよ

x=y=z=uとすると、4x^2=Nx^4→(x,N)=(1,4),(2,1)

ここではN=4とし、x=y=1,z1=z2=1からスタートする。(1,1,zn,u)がu≠zn-1を満たす[2]の解であるようなuをzn+1とすることで、数列{Zn}を定義する。

(1,1,zn-1,zn),(1,1,zn,zn+1)は[2]の解であるから、2+zn^2+u^2=4znu→u^2-4znu+(zn^2+2)=0はzn-1,zn+1を解に持つ。

したがって、解と係数の関係よりzn+1=4zn-zn-1

この漸化式により定まる数列{zn}はしゅうきせいをもたずたんちょうぞうかであるので、解は無限に存在する。

[Q][2]を満たす(x,y,z,u)は無限に存在する。そのうち、x>100を満たすものを1組求めよ

{zn}={1,1,3,11,4,153,・・・}→(1,1,41,153)は[2]の解

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