■ルービック・キューブ(その10)

 ルービックは建築家(ブダペスト応用大学の教授)で数学者ではないが,正三角形と二等辺三角形が少しずつ縮小しながら交互に連なる新しい図形「スパイドロン」を考案した.

 エンゲルの空間充填38面体はミカンの房を少しひねったような形の多面体である.スパイドロンもそれに似た形であるが,スパイドロンは2次元にも3次元にもタイルのようにして繋げられる.

 スパイドロンの充填的な性質はやがて数学者や技術者,彫刻家を魅了した.スパイドロンボールは込み入った渦巻きパターンを持つ立体で,たとえばミウラ折りのように太陽電池パネルのデザインにも応用できるからだ.

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