■数学月間(その1)
「数学月間」というものがあることを知った。
それは日本ではなく、アメリカで制定された制度であるという。
かつて日本がJapan as No.1と呼ばれているころ、後れを取った米国のレーガン大統領の肝いりで制定されたのであるが、国力回復のためには数学が重要と考えたのであろう。日本の国会議員の中にも同じことを画した政治家がいたというが、如何せんそのような議員に政治的な力は備わっていないことが常であって、いつの間にか雲散霧消したらしい。したがって、わが国に「数学月間」なる国家行事は存在しない・・・と書いたところ、事実誤認があります。訂正ください。とクレームが入った。
===================================
@米国は「MAM(現在は統計学が入ってMSAM)」で4月、1986年にスタート
A日本は「数学月間」で7/22〜8/22、2005年にスタート(詳しくはHPを参照ください)
https://sgk2005.org/bbses/bbs_articles/view/23/d8707f7ec16f7d17bf70aad42a061ac9?frame_id=35
米国のMAM(Maths Awareness Month)は、1986年にレーガン大統領宣言で国家行事として始まった。日本に後れを取った米国は、数学が国力の基礎と言うことをいち早く気がついた。日本は、デミング流の統計学を米国より先に導入したことでJapan as No1といわれる時代を築いたのだが、数学の導入では米国に遅れた。2005年に片瀬豊の提案で、日本数学協会が「数学月間7/22〜8/22」を制定した。今年で20年目になるが、まだ知名度が低い。NPO法人数学月間の会の活動はボランティアであり、米国のような国家行事ではないためである。
===================================
残念ながら、数学月間が認知されていないことは確かであろう。
現在、日本はもはや先進国とはいえない状況にある。政治的には先進国を気取っている必要があるかもしれないが、一度先進国というみえを捨てて、先進国ではないことを認めたうえで、本当に必要なものはなにかを見据えなくてはならないのだ。
===================================