■4乗和の公式(その10)

ファウルハーバーは,ベキ和の公式

  Ss=Σk^s=1^s+2^s+3^s+・・・+n^s

において,s=17まで計算して,

[1]sが奇数のとき,SsはS1の多項式で表されることを見出し,

[2]sが偶数のときもこのことが成り立つと予想した.

 ヤコビはファウルハーバーの予想を証明し,

[3]sが偶数のときSsはS2で割り切れ,さらに

[4]Ss/S2はS1の多項式で表されることを示した.

たとえば,

  S3=S1^2

  S4=S2(6S1−1)/5

  S5=(4S1^3−S1^2)/3

  S6=S2(12S1^2−6S1+1)/7

 sが偶数のときn(n+1)(2n+1)(多項式)/(整数),1以外の奇数のときn^2(n+1)^2(多項式)/(整数)と書くことができる.また,Σk^sは(s+1)次の多項式になり,最高次数の係数は1/(s+1)となる.

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[Q1]SsはS1で割り切れることを示せ.

  Ss(x+1)−Ss(x)=(x+1)^s

  Ss(0)=0→Ss(−1)=0

したがって,Ssはx(x+1)で割り切れる.

[Q2]sが偶数の場合,SsはS2で割り切れることを示せ.

  S2n(x)=B2n+1(x+1)/(2n+1)

  S2n(−1/2)=B2n+1(1/2)/(2n+1)

  B2n+1(1/2)=0→S2n(−1/2)=0

したがって,S2nは2x+1で割り切れる.[Q1]と併せて,

  S2nはx(x+1)(2x+1)で割り切れる.

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