■学会にて(京大数理解析研,その17)
それでは、自分は何を発表したかというと
フィボナッチ数・2次形式・トポグラフの用語を説明したあと、マルコフ数のもっとも単純素朴な拡張を行った。
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ラグランジュ数は無理数の有理数近似を行う際、その収束速度と近似精度を表す指標である。
最も収束の遅い無理数はφであって、そのラグランジュ数はλ=√5、2番目に収束の遅い無理数は√2であって、そのラグランジュ数はλ=√8となる。
マルコフ数とはラグランジュ数の分母となる整数であって、λ=[√5,3]の範囲では、1,2,5,13,29,34,89,・・・と続く。私はそれをλ=[3,√13]の範囲まで拡張した。その範囲では1,2,3,8,12,21,55,70,・・・となり、集積点3を挟んで鏡のような世界が広がっているのである。
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λ<3とλ>3の違いを列挙すると、
λ<3では
(1)λ=1/3・(9x^2-4)^1/2
(2)マルコフ方程式はx^2+y^2+z^2=3xyz
(3)マルコフツリーにはF2n-1,P2n-1,ノンフィボナッチノンペルが属する
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λ>3では
(1)λ=1/3・(9x^2+4)^1/2
(2)マルコフ方程式はx^2+y^2+z^2=3xyz+2,または+8
(3)マルコフツリーは一般的なツリーとはならず,分岐が1回に制限されている。F2nとP2nが現れる
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λ=[√5,3]では阿部隆次先生(東京工芸大)と講演内容がかぶってしまったが、これでマルコフ数の世界が広がるので、今後の発展は彼に託すことにしたい。
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阿部隆次先生が示した行列
[2,1]
[1,1]
λ=(1+/-√5)/2は
[F3,F2]
[F2,F1]であり、
[5,2]
[2,1]
λ=(1+/-√2)は
[P3,P2]
[P2,P1]である。
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[1,1]
[1,0]
は
[F2,F1]
[F1,F0]である
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