■フィボナッチ・ツリー(その1)

「フィボナッチ数・2次形式・トポグラフ」と題する講演をすることになった。

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植物では成長するにつれて葉にあたる日光の量が最大になるように、葉を茎にうまく配置する必要がある。上下の葉がぴったり重なっていたら、日光がまったくあたらなくなってしまうからである。最善の配置をもたらす角度は360×1/(1+φ)=137.5°とされる。この角度は360°を1:φに黄金分割したものになっていて「黄金角」と呼ばれる。

これが葉序則であるが、フィボナッチ数が「葉序」や「花序」といった自然界にみられる現象と関係していることはよく知られている。たとえば、

[1]平面らせんr=r(θ)上の黄金角回ったところに点をプロットする作業を続けると、ヒマワリらせんが現れる。

[2]マーガレットの花びらは21枚あり、花占い(スキ→キライ→スキ→・・・→スキ)に用いられる。

講演では、

[3]フィボナッチ数が2次曲面z=ax^2+bxy+cy^2上の整数点に一致してプロットされるための必要十分条件について考える。

その副産物として、

[4]フィボナッチ数の集合が次に示す2変数5次多項式:z=2xy^4+x^2y^3-2x^3y^2-y^5-x^4y+2y

の正値集合に一致することを証明する。これは高校生でも十分に理解できる内容であり、

[5]リュカ数やペル数に対しても、同様の2変数5次多項式を導出することを試みたい。

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