■ピタゴラス数(その3)

x^2+y^2=z^2

は直角三角形に対するピタゴラスの定理を表している。その最小の三つ組みは(x,y,z)=(4,3,5)である。

このような三つ組みをすべて見つける問題はディオファントスの算術の中で論じられている。

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冗長さを避けるため、x,y,zが公約数をもたないとする。もしx、yが偶数なら、zも偶数となり、その方程式は4で割り切れてしまうから

xは偶数、yは奇数であるとすると、zは奇数で、一般解は

  x=2mn

  y=m^2-n^2

  z=m^2+n^2

のようになる。

(m,n)=(2,1)→(x,y,z)=(4,3,5)

(m,n)=(3,1)→(x,y,z)=(12,5,13)

(m,n)=(4,1)→(x,y,z)=(8,15,17)

(m,n)=(5,2)→(x,y,z)=(20,21,29)

(m,n)=(6,1)→(x,y,z)=(12,35,37)

は面積の等しい(210)の2つの合同でない直角三角形の対である。

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レーマーは斜辺の長さがn以下である原始的ピタゴラス三つ組みの個数がおおよそn/2πであることを示した。

n=100の場合、(m,n)=(2,1),(3,2),(4,1),(4,3),(5,2),(5,4),(6,1),(6,5),(7,2),(7,4),(7,6),(8,1)(8,3),(8,5),(9,2),(9,4)の16個ある。

一方、100/2π=15.9と予測される

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xyzは12で割り切れる

(証明)

mかnかどちらかが偶数であるから、4はxyz=2mn(m^2-n^2)(m^2+n^2)を割り切る

mかnかどちらかが3で割り切れればxyzもそうである。

mもnも3で割り切れなければ、(3k+1)^2=3(3k^2+2k)+1,(3k+2)^2=3(3k^2+4k+1)+1,

m^2,n^2を3で割った余りは1であるから、y=m^2-n^2は3で割り切れる

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