■剰余系と整数生成定規(その78)
[Q]目盛りのついていない長さ6の定規に(両端以外に)目盛りを2つ刻んで,長さ1から6まですべてはかれるようにするにはどうすればいいか?
[A]目盛り間隔の配置を{1,3,2},目盛りを{0,1,4,6}とする.
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定規の場合に限らず,1からLまですべてはかれるようにするための必要条件はどうなっているのだろうか?
たとえば,1から6まですべてはかれる場合を考える.集合{1,3,6}の差分集合は{1,3−1,6−3}={1,2,3}である.
4=1+3
5=2+3
6=1+2+3
だから,1から6まですべてはかれるのである.
{0=a1<a2<・・・<ak+1}のai-aj(i<j)が[0,n-1]の要素をすべて一意にしか表さないものが完全差集合である。完全差集合はn=k^2+k+1のときのみ存在しうる。
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完全差分列とは
a1<a2<・・・<ak<ak+1<・・・<ap+1=p^2+p+1
で、その差分au-avが法p^2+p+1の0以外の剰余をちょうど1回表すようにできるかどうかである。
mod 7で{1,2,4}
mod 13で{1,2,5,7}
の完全差分集合が存在するのはn=p^2+p+1のときのみであり、完全差分集合を用いて整数生成定規を作成することができる。
{1,2,5,7}から1を引くと{0,1,4,6}が得られるが、これらを長さ6の定規の目盛りとすると、1,2,3,4,5,6のすべての長さを測ることができる。
長さnの定規にk+1個の目盛りを不完全定規でいろいろな条件を満たすものを考えることができる
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