■マチアセビッチとフィボナッチ数生成関数(その38)
ある2次形式が73までの素数を表現できるならば,それはすべての素数を表現できる(バールガバ).
バールガバがコンウェイの一歩先をいくこの巧妙な結果を得たのは,彼がプリンストン大学の院生のときであった.もちろん,73までの素数とは
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,
41,43,47,53,59,61,67,71,73
である.
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オイラーの公式n^2+n+41のnをn−1に変換すればn^2−n+41,n−40に変換すればn^2−79n+1601が与えられます.1変数の2次多項式ではn^2+n+17や2n^2+29なども高い確率で素数を生成します.
それでは,多変数の高次多項式ではどうでしょうか.1971年,旧ソ連のマチアセビッチは,素数全体をあるひとつのディオファントス方程式の解として表すことにも成功しています.すなわち,すべての素数をつくる式を生み出したことになるのですが,その式は37次で24個の変数をもつ多項式と21次で21個の変数をもつ多項式でした.これらの多項式は負の値もとり,また,素数は多項式の値として繰り返し出現します.
すべての素数をもれなくつくり,しかも素数以外はつくらない公式は知られていません.素数を完全に定義する式が存在することは証明されていませんし,存在しないともわかっていません.
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2a^2+3b^2+5c^2+7d^2+11e^2+13f^2+17g^2+19h^2+23i^2+29j^2+31k^2+37l^2+41m^2+43n^2+47o^2+53p^2+59q^2+61r^2+67s^2+71^t^2+73u^2
次数は2であるが、変数はどこまで減らせるのだろうか?
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