■3次元曲面上の27本の直線と3次元空間内の4本の直線(その11)

[Q]3次元空間内に,一般の位置関係にある4本の直線がある.これら4本の直線と交わる直線は何本あるか?

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[A]0本,有限本,∞本などが予想されるところであるが,答えは2本.

 なお,

[Q]3次元空間内に,一般の位置関係にある3本の直線がある.これら3本の直線と交わる直線は何本あるか? → ∞本

[Q]3次元空間内に,一般の位置関係にある5本の直線がある.これら5本の直線と交わる直線は何本あるか? → 0本

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シューベルトはいくらか限定された場合について考えるため、4本ある直線にうち2本の位置を特殊化した。1本目と2本目の直線が交わり、かつ、3本目と4本目の直線も交わると仮定した。この場合には、1本は2個ある直線同士の交点を通るもの、もう1本は1本目と2本目の直線によって決まる平面と3本目と4本目の直線によって決まる平面の交線である。答えは2本である。一般の場合も特殊な場合と同じになる(個数保存の原理)

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シューベルトが考案した数え上げ算法,いわゆる数え上げ幾何学によれば、9個の2次曲面に接する2次曲面は666841048個存在し、与えられた12個の2次曲面に接する空間3次曲線は5819539783680本存在する

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シューベルトが考案した計算法は代数曲線や代数曲面を対象とするもので、この曲線とあの曲線は何回交差するのか?といった問題を扱うものである。

平面上にある2つの直線は1点で交わる。2つの直線が平行な場合は無限遠点で交わる。

一つの直線と一つの円は2点で交わる。交わっていない場合は2つの虚点で交わる。直線が円に接している場合は、接点を2重の交点とみなす。

2つの円は4点(2つは実点、2つは虚点)で交わる。互いに接する2円は接点で2重に交わり、虚の無限遠点で2重に交わる。

これらの原理は一貫していて、矛盾はない。

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射影平面になかで考えると、次数が偶数で特異点のない代数曲線は卵形線しか現れない。放物線は無限遠に向かう方向が2つあるように見えるが、遠くに行けば行くほど両者は平行線になり、無限遠点でまじわる。放物線も双曲線も楕円も円も卵形線なのである。

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