■有限素数と無限素数(その13)
【1】p進整数
 p進整数xをpのそれぞれのベキp^nについて、1個ずつ存在する互いに矛盾しない合同式
  x=an   (mod p^n)
の形式的な解として定義する。
互いに矛盾しないとは、例えば、
x=1   (mod 3)
x=7   (mod 9)
x=-2   (mod 27)
のように共通の解x=25をもつことを意味する。
このように定義したp進整数同士
  x=an   (mod p^n)
  x=bn   (mod p^n)
は環をなす。すなわち
  x=an+bn   (mod p^n)
  x=an-bn   (mod p^n)
  x=anbn   (mod p^n)
はp進整数である
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 有理数1/3は2進整数でもあるし、5進整数でもある。これを確かめるにはつぎのような数列{an}を考えればよい
  7,67,667,6667,6667,・・・
この数列の各項に3をかければ
  21,201,2001,20001,200001,・・・
これらはそれぞれ2^1,2^2,2^3,2^4,・・・を法として1に合同である。
また、これらはそれぞれ5^1,5^2,5^3,5^4,・・・を法として1に合同である。
よって,p=2,5に対して
  x=an   (mod p^n)ni
で定義されるp進整数は3x=1を満たす。
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 有理数2/3は5進整数でもあるし、10進整数でもある。これを確かめるにはつぎのような数列{an}を考えればよい
  4,34,334,3334,33334,・・・
この数列の各項に3をかければ
  12,102,1002,10002,100002,・・・
これらはそれぞれ5^1,5^2,5^3,5^4,・・・を法として2に合同である。
また、これらはそれぞれ10^1,10^2,10^3,10^4,・・・を法として2に合同である。
よって,p=5,10に対して
  x=an   (mod p^n)ni
で定義されるp進整数は3x=2を満たす。
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