■ブラーマグプタ・バースカラ・チャクラバーラ法(その144)

[Q]61a^2+1が平方数b^2となるような,整数a,bを求めよ.(フェルマーの問題)

1766319049,226153980

===================================

【1】チャクラバーラ法

チャクラバーラ法は近い方程式の解を見つけることから出発する

x=a,y=bがひとつの小さい数値kに対するNx^2+k=y^2の解であるとする

たとえばx=1,y=mはNx^2+(m^2-N)=y^2の解である。

このときブラーマグプタの恒等式より

N(am+b)^2+(m^2-N)k=(bm+Na)^2

x=(am+b)/k,y=(bm+Na)/kはNx^2+(m^2-N)/k=y^2の解になっている。

m=8,N=61 61+(64-61)=64

a=1,b=8,k=b^2-Na^2=3

mをam+bがkで割り切れるようにとるとbm+Naもkで割り切れることになり、

x=(am+b)/k,y=(bm+Na)/kはNx^2+(m^2-N)/k=y^2の解であって、(m^2-N)/kもまた整数である。

そこで、(m^2-N)/kがkよりも小さくなるように工夫すれば、この操作の繰り返しによりNx^2+1=y^2の整数解が得られることになる。

===================================

バースカラは(m+8)/3が整数となるものの中で、m^2-61ができる限り小さくなるものを見つけ出した→m=7

x=(15)/3=5,y=(56+61)/3=39,k=(49-61)/3=-4

→(5,39)が方程式61x^2-4=y^2の解であることを見つけ出す。

a=5,b=39,k=-4

(5m+39)/4が整数となるもののなかで、m^2-61ができる限り小さくなるようなものはm=9

x=(15)/3=5,y=(56+61)/3=39,k=(49-61)/3=-4

5m+39=84,x=(5・9+39)/4=21,y=(39・9+61・5)/4=164,k=(81-61)/(-4)=-5

→(21,164)が方程式61x^2-5=y^2の解である。

(21m+164)/5が整数となるもののなかで、m^2-61ができる限り小さくなるようなものはm=6

a=(126+164)/5=58,b=(164m+61・21)/5=453,k=(36-61)/(-5)=5

→(58,453)が方程式61x^2+5=y^2の解である。

(58m+453)/5が整数となるもののなかで、m^2-61ができる限り小さくなるようなものはm=9

a=(522+453)/5=195,b=(453m+61・58)/5=(4077+3538)/5=1523,k=(81-61)/5=4

→(195,1523)が方程式61x^2+4=y^2の解である。

(195m+1523)/4が整数となるもののなかで、m^2-61ができる限り小さくなるようなものはm=7

a=(1365+1523)/4=722,b=(1523m+61・195)/4=(22556)/4=5639,k=(49-61)/4=-3

→(722,5639)が方程式61x^2-3=y^2の解である。

(722m+5639)/3が整数となるもののなかで、m^2-61ができる限り小さくなるようなものはm=8

a=(5776+5639)/3=3805,b=(5639m+61・722)/3=(89154)/3=29718,k=(64-61)/(-3)=-1

→(3805,29718)が方程式61x^2-1=y^2の解である。

(226153980,1766788898)は61x^2+1=y^2の解である。

===================================

[Q]109a^2+1が平方数b^2となるような,整数a,bを求めよ.(フェルマーの問題)

===================================

初期値を変更してみたい。

x=1,y=11は11^2=109+12の解である

(m+11)/(12)が整数となるものの中で、m^2-109ができる限り小さくなるものを見つけ出す→m=13

x=(24)/(12)=2,y=(143+109)/(12)=21,k=(169-109)/(12)=5

→(2,21)はが方程式109x^2+5=y^2の解である

a=2,b=21,k=5・・・これ以降も同じ結果となる

(2m+21)/5が整数となるもののなかで、m^2-109ができる限り小さくなるようなものはm=12

x=(45)/5=9,y=(252+218)/5=94,k=(144-109)/5=7

→(9,94)が方程式109x^2+7=y^2の解である。

(9m+94)/7が整数となるもののなかで、m^2-109ができる限り小さくなるようなものはm=9

x=(81+94)/7=25,y=(846+981)/7=261,k=(81-109)/7=-4

→(25,261)が方程式109x^2-4=y^2の解である。・・・解につながりそうにない

(25m+261)/4が整数となるもののなかで、m^2-109ができる限り小さくなるようなものはm=11

x=(275+261)/4=134,y=(261・11+109・25)/4=1399,k=(121-109)/(-4)=-3

→(134,1399)が方程式109x^2-3=y^2の解である。

(134m+1399)/3が整数となるもののなかで、m^2-109ができる限り小さくなるようなものはm=10

x=(1474+1399)/3=913,y=(1399・10+109・134)/3=9532,k=(100-109)/(-3)=3

→(913,9532)が方程式109x^2+3=y^2の解である。

(913m+9532)/3が整数となるもののなかで、m^2-109ができる限り小さくなるようなものはm=11

x=(10043+9532)/3=6525,y=(9532・11+109・913)/3=68123,k=(121-109)/(3)=4

→(6525,68123)が方程式109x^2+4=y^2の解である。・・・解につながりそうにない

(6525m+68123)/4が整数となるもののなかで、m^2-109ができる限り小さくなるようなものはm=9

x=(58725+68123)/4=31712,y=(68123・9+109・6525)/4=331083,k=(81-109)/(4)=-7

→(31712,331083)が方程式109x^2-7=y^2の解である。

===================================