■ルベーグの舗石定理とミンコフスキーの舗石定理(その16)

 まずはおさらいから.3v=pf,2e=pfをオイラーの多面体定理に代入すると

  pf/3−pf/2+f=2

  f=12/(6−p)

ですから,

  v=pf/3=4p/(6−p)

  e=pf/2=6p/(6−p)

  p=6(f−2)/f

  f=(23+√313)/3=13.564

を代入すると

  p=6(f−2)/f=(26+2√313)/12=5.1153

  v=2(17+√313)/3=23.128

  e=17+√313=34.692

  f=13.564,v=23.128,e=34.692

すなわち,泡の平均の姿は23.128個の頂点,34.692本の辺,13.564枚の面からなる面が5.1153角形の立体となることがわかります.平均的な泡細胞は14面体に近いものになるというわけです.

  f=12/(6−p)

ですから,pの近似値を

  sin(π/p)=√(1/3)

  cos(π/p)=√(2/3)

  tan(π/p)=√(1/2)

あるいは

  p=2π/arccos(−1/3)

から,2次方程式の解として求められば

  f=(23+√313)/3=13.56

を得ることができます.しかし,(その15)ではそのようなうまい方法が思いつきませんでした.

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【1】コクセターの論文

  f=(23+√313)/3=13.56,p=5.1153

について調べているうちに,「最密充填と泡」に関するコクセターの論文:

  Coxeter: Close packing and froth, Illinois Journal of Mathematics 2, 746-758 (1958)

にそのことが収載されていることがわかりました.

 また,当該の論文のリプリントがFORMA誌のケルビン問題特集号

  Coxeter: Close packing and froth, FORMA 11(3), 271-285 (1996)

に再録されていることがわかりました.取り寄せてみたところ,予想通り,

  f=(23+√313)/3=13.564

は2次方程式

  3x^2−46x+72=0

の解に帰着されることがわかりました.

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