■安定な構造(その7)

ジョイントの位置が正八面体・ねじれ立方体・ねじれ正12面体の頂点と一致するダ・ヴィンチボールは強固な構造であった。

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失敗作も披露しておきたいのであるが、ジョイントの位置が立方八面体・20・12面体の頂点と一致するダ・ヴィンチボールは不安定であった。立方八面体は正六角形4つ、20・12面体は正十角形6つからなるのであるが、それぞれ、切込みが3か所と5か所にあるピースとその反転ピースを作らなければならない。切込みに関しては4つでないと強固にはなりえないのである。やはりダ・ヴィンチは天才であった。

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講演を聞いてくれた高校生の感想を掲げます。

ダ・ヴィンチブリッチなど物理法則にしたがって釘などを一つも使わないでできることに凄い感動しました。

今回のお話で形は無意味にそこに存在するものではなく、理由があってその形として存在していることがわかりました。普段あまり考えない形がその形である理由に着目することで、その形が形全体の安定に貢献していたり、そこから美しさを感じたりすることができる、そのような形の可能性に気付かされました。また、ハニカム構造などそれを自然が創り出していることに驚きました。

 さらに、形にはまだ明らかになっていないことが多く、人間はその奥深さを今も追究していることを知る良い機会になりました。お話の中で、形を人はどのように分析しどのように秩序を見出しているのか、その過程を見ることができたと思います。それが3次元にいる私達に想像もできない高次元の形につながっていること、それを考えてみようとする数学者の発想がすごいなと感じました。

 はじめに今回の内容の資料が配られた時内容があまりわからなかったけれど、お話を通して少しずつわかってきたのがとても面白かったです。自分は数学の中で図形や立体の問題が苦手なのですが、少しでも前向きに取り組んでみようという気持ちになりました。

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