■正三角形の最大内接正方形(その1)

 与えられた三角形に内接する最大の長方形は,任意の2辺の中点から他の1辺に垂線をおろしてこれらを対辺とする長方形を描くことによって得られます.鋭角三角形ではこのような長方形は3通り,直角三角形なら2通り,鈍角三角形なら1通りとれます.

 与えられた三角形に内接する最大の長方形の面積は,三角形の面積のちょうど半分ですが,正三角形における最大内接正方形の面積はどのようになるのでしょうか?

===================================

(Q1)正三角形に正方形を内接させる問題を考えます.正方形の4つの頂点は正三角形の辺上にあり,2つの頂点は正三角形の底辺に,あとの2つの頂点はそれぞれ斜辺の上にあるものとします.

(A1)正三角形の1辺の長さを1とし,正三角形の斜辺上にある正方形の頂点がそれをx:1−xに内分するとき

  x=(1−x)sin60°

より

  x=2√3−3

  単位正三角形の面積:√3/4

  最大内接正方形の面積:x^2=21−12√3

であるから,最大内接正方形の面積は最大内接長方形の面積√3/8よりわずかに小さい.

===================================