■正多角形の作図と原始根(その182)

ωj=exp(2πij/k),ω=exp(2πi/k) とするとき、 ファンデルモンド行列は

Ωk=|1,1,・・・,1|

|ω0,ω1,・・・,ωk-1|

|ω0^2,ω1^2,・・・,ωk-1^2|=|ω^ij|

|・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・|  

|ω0^k-1,ω1^k-1,・・・,ωk-1^k-1|

Ωkは対称行列で、その転置行列と一致する。また、複素共役行列Ωk~とすると直交性

Ωk・(Ωk~)'=kI

が成り立ち、

|detΩk|=k^(k/2)

となる

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【1】アダマール行列

 アダマール行列Hnは+1か−1の要素をもつn×n行列で,その行と列は互いに直交している.各行または列のノルム(各要素の2乗和)はnであるから,

  HnHn’=Hn’Hn=nIn

が成り立つ.

  det|nIn|=n^n

より

  det|Hn|=n^n/2

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【2】アダマールの定理

 もっと一般に,各成分が1か−1のn×n行列の行列式はn^n/2以下である.

 アダマールの定理の証明は,行列式の幾何学的意味を理解すれば簡単である.行列式の絶対値は,n個のそれぞれの長さ√nの行ベクトルが作るn次元平行六面体の体積だから,その値は(√n)^n=n^n/2以下である.等号はベクトル同士が全部直交するときに限る.

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