■正多角形の作図と原始根(その170)
多角形を円で囲む無操作を続けると,円の半径はどんどん大きくなり,やがて無限大になると思われるかもしれない.実際,円は当初きわめて速く大きくなるが,拡大の速度は徐々に低下し,円の半径は,無限乗積
R=1/cos(π/3)・1/cos(π/4)・1/cos(π/5)・1/cos(π/6)・・・=0.870003
に近づくのである.
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【1】無限に拡大する円?
半径r3の円がある.その円に正三角形を外接させる.その三角形に半径R3の円を外接させる.その円に正方形を外接させる.その正方形に半径R4の円を外接させる.その円に正五角形を外接させる.その正五角形に半径R5の円を外接させる・・・.正多角形は外側にいくほど大きくなるが,無限に大きくなるか?
[A2]
Rn/rn=1/cos(π/n)
ΠRi/ri=Π1/cos(π/i)
n→∞のとき,1/cos(π/n)→1となるのは,おなじみの内接(外接)する正多角形の辺の数→∞のとき,その多角形の周長の上限(下限)が円周の長さであることを表している.
ここで
R3=r4,R4=r5,R5=r6,・・・
より
Rn=r3Π1/cos(π/i) (i=3~n)
実際に無限乗積Π1/cos(π/i)の計算をしてみると,8.70に収束した.
Π1/cos(π/i)→8.70
Rn→r3×8.70
無限に大きくなっていくように思えるが,実際には上限があって,最初の円r3のおよそ9倍を超えることはできないのである.
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ケプラーによる惑星の入れ子構造モデルでは、水星の軌道球面に正八面体を外接させ、正八面体に球を外接させる。この球面は金星の軌道球面である。
さらに、この球面に正20面体を外接させ、正20面体に球を外接させる。この球面は地球の軌道球面である。
さらに、この球面に正12面体を外接させ、正12面体に球を外接させる。この球面は火星の軌道球面である。
さらに、この球面に正4面体を外接させ、正4面体に球を外接させる。この球面は木星の軌道球面である。
さらに、この球面に立方体を外接させ、立方体に球を外接させる。この球面は土星の軌道球面である。
地球は正20面体と正12面体に挟まれて存在するのであるが、観測データとは大雑把にしか一致していなかった。その後。天王星や海王星が発見されたのである。
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当時、惑星は水金地火木土の6つしかないといわれていて、水星から土星までの間に5カ所の隙間ができますが、惑星の軌道は5種類の正多面体を次々同一の中心をもつ6個の球面に外接させて得られる、すなわち、この隙間に5つしかないプラトンの正多面体をすっぽりと入れ込むことができると主張しました。もちろん、ケプラーの法則を発見する以前の話で、天王星、海王星、冥王星の存在を知らなかったのです。
ガリレオは20倍の天体望遠鏡を作成し、1610年に木星の4個の衛星と土星の輪を発見しています。天王星、海王星、冥王星は望遠鏡の発達に伴って、それぞれ1781年、1846年、1930年に発見されています。
1772年、ベルリン天文台長のボーデは惑星を太陽に近い順に0(水星),1(金星),2(地球),3(火星),・・・番と数えるとき、太陽から地球軌道の平均半径を1天文単位とすれば、第n番目(n≧1)の惑星の平均距離は(3×2n-1 +4)/10になるという、いわゆるボーデの法則を発見しました。この経験則は、1766年にドイツのティティウスが発見した関係を掘り出したもので、ティティウス・ボーデの法則とも呼ばれます。この法則は驚くべき正確さで太陽から惑星までの距離に対応していますが、理論的根拠があるわけでなく、全くの経験的法則であったため、あまり注意を払われませんでした。
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