■正多角形の作図と原始根(その169)
多角形を円で囲む無操作を続けると,円の半径はどんどん大きくなり,やがて無限大になると思われるかもしれない.実際,円は当初きわめて速く大きくなるが,拡大の速度は徐々に低下し,円の半径は,無限乗積
R=1/cos(π/3)・1/cos(π/4)・1/cos(π/5)・1/cos(π/6)・・・=0.870003
に近づくのである.
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【1】無限に拡大する円?
半径r3の円がある.その円に正三角形を外接させる.その三角形に半径R3の円を外接させる.その円に正方形を外接させる.その正方形に半径R4の円を外接させる.その円に正五角形を外接させる.その正五角形に半径R5の円を外接させる・・・.正多角形は外側にいくほど大きくなるが,無限に大きくなるか?
[A2]
Rn/rn=1/cos(π/n)
ΠRi/ri=Π1/cos(π/i)
n→∞のとき,1/cos(π/n)→1となるのは,おなじみの内接(外接)する正多角形の辺の数→∞のとき,その多角形の周長の上限(下限)が円周の長さであることを表している.
ここで
R3=r4,R4=r5,R5=r6,・・・
より
Rn=r3Π1/cos(π/i) (i=3~n)
実際に無限乗積Π1/cos(π/i)の計算をしてみると,8.70に収束した.
Π1/cos(π/i)→8.70
Rn→r3×8.70
無限に大きくなっていくように思えるが,実際には上限があって,最初の円r3のおよそ9倍を超えることはできないのである.
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ケプラーによる惑星の入れ子構造モデルでは、水星の軌道球面に正八面体を外接させ、正八面体に球を外接させる。この球面は金星の軌道球面である。
さらに、この球面に正20面体を外接させ、正20面体に球を外接させる。この球面は地球の軌道球面である。
さらに、この球面に正12面体を外接させ、正12面体に球を外接させる。この球面は火星の軌道球面である。
さらに、この球面に正4面体を外接させ、正4面体に球を外接させる。この球面は木星の軌道球面である。
さらに、この球面に立方体を外接させ、立方体に球を外接させる。この球面は土星の軌道球面である。
地球は正20面体と正12面体に挟まれて存在するのであるが、観測データとは大雑把にしか一致していなかった。その後。天王星や海王星が発見されたのである。
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