■正多角形の作図と原始根(その118)

z^10+z^9+・・・+z+1=0の10根の置換はn−1=5・2と素因数分解されることから,次数11の円分方程式が1つの5次方程式とひとつの2次方程式の解法に帰着することを示している.

そのような周期はz+z^10,z^2+z^9,z^3+z^8,z^4+z^7,z^5+z^6である。

一つの周期に含まれる2元は互いの他の逆数であるから、z^5で割ってから,y=-(x+1/x)を代入すると

y^5-y^4-4y^3+3y^2+3y-1=0

が得られる。もしこの方程式の解αが根号によって見いだされるならば、1の11乗根を求めるには、x^2+αx+1=0を解きさえすればよく、それは根号によってあらわされるのであるが、5次方程式には一般的な解法が存在しない。

それに対して、n-1が2のベキであるときには補助方程式はすべて2次であるから、円分方程式の解法はかなり簡単である。

n-1が2のベキとなる素数で知られているものは、3,5,17,257,65537だけである。

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y^5-y^4-4y^3+3y^2+3y-1=0

は根号を使って解ける方程式なのであるが、その解法がわからない

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z^10+z^9+z^8+z^7+z^6+z^5+z^4+z^3+z^2+z+1=0

z^5+z^4+z^3+z^2+z+1+1/z+1/z^2+1/z^3+1/z^4+1/z^5=0

(z+1/z)^5=z^5+5z^4・1/z+10z^3・1/z^2+10z^2・1/z^3+5z・1/z^4+1/z^5=(z^5+1/z^5)+5(z^3+1/z^3)+10(z+1/z)

(z+1/z)^4=z^4+4z^3・1/z+6z^2・1/z^2+4z・1/z^3+1/z^4=(z^4+1/z^4)+4(z^2+1/z^2)+6

(z+1/z)^3=z^3+3z^2・1/z+3z・1/z^2+1/z^3=(z^3+1/z^3)+3(z+1/z)

(z+1/z)^2=z^2+2z・1/z+1/z^2=(z^2+1/z^2)+2

(z^5+1/z^5)=-y^5-5(z^3+1/z^3)+10y=-y^5+5y^3-15y+10y=-y^5+5y^3-5y

(z^4+1/z^4)=y^4-4(z^2+1/z^2)-6=y^4-4y^2+8-6=y^4-4y^2+2

(z^3+1/z^3)=-y^3+3y

(z^2+1/z^2)=y^2-2

z^5+z^4+z^3+z^2+z+1+1/z+1/z^2+1/z^3+1/z^4+1/z^5=0

-y^5+5y^3-5y+y^4-4y^2+2-y^3+3y+y^2-2-y+1=0

-y^5+y^4+4y^3-3y^2-3y+1=0

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