■代数的整数(その2)
クンマーの円分整数を特別な場合として代数的整数は、最高次数1(モニック)の代数方程式
f(x)=x^n+a1x^n-1+・・・+an-1x+an=0, {ai|Z}
を考え、このような方程式の根を代数的整数と定義される。代数的整数は加法と乗法に関して閉じている。
さらに、aiが有理数の方程式を満たす数
θ^n+a1θ^n-1+・・・+an-1θ+an=0, {ai|Q}
は代数的数,aiが整数{ai|Z}の方程式を満たす数は代数的整数といわれるようになった。
pを素数、αを1のp乗根とするとき、{ai|Z}nに対し、
a0+a1α+a2α^2+・・・+ap-α^p-1, {ai|Z}
が円分整数である。αはx^p-1=0を満たすから代数的整数である。よって、円分整数は代数的である。
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【2】クラインの整数
ベイカー・スタークの定理により,ガウス整数とアイゼンスタイン整数は一意分解性をもつことがわかりますが,それに続いて最も簡単な整数環は
λ=(−1+√−7)/2
a+bλ
です.
λ=(−1+√−7)/2はモニックな代数的方程式x^2-x+2=0の解であるから(分母に2があっても)定義により代数的整数である。
クライン整数は2つの単数±1のみをもち,菱形格子をなします.クライン環の特徴は,2が素因数分解されることです.
2=(−1+√−7)/2・(−1−√−7)/2
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【2】クラインの整数環
ガウス整数とアイゼンスタイン整数はユークリッド整域であることがわかりましたが,それに続いて最も簡単な整数環はクラインの整数環
Z(λ)={a+bλ|a,bは整数},λ=(−1+√−7)/2
です.クライン整数は2つの単数±1のみをもち,菱形格子をなします.クライン環では2が素因数分解されます.
2=(−1+√−7)/2・(−1−√−7)/2
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