■クンマーの定理と理想数
1の原始p乗根α=exp(2πi/p)を考えると
x^p+y^p=(x+y)(x+αy)(x+α^2y)・・・(x+α^p-1y)が得られる
x+α^iy
より一般には
f(α)=a0+a1α+a2α^2+・・・+ap-1α^p-1
いわゆる円分整数が円分素数の積に一意分関されることがわかっていなければ、この議論は通用しない
===================================
クンマーは
[1]円分整数は一般には素因数分解の一意性をもたない(そのような最小のpはp=23)
[2]理想複素数を導入することにより、一意分解性を救出することができることを示した。
===================================
[1]ノルムをN(f(α))=f(α)f(α^2)・・・f(α^p-1)と定義すると、2つの円分整数f(α),g(α)に対し、
N(f(α)g(α))=N(f(α))N(g(α))
が成り立つ。αを1の23乗根とするとN(f(α))=47,139とはならない→47,139は素因数を持たないが、積47・139はg(α)=1-α+α^21のノルムであり、既約であるが素数ではないことが示される。そしてN(g(α))を既約因数の積として2通りに分解されることを示した。
===================================
[2]理想複素数とは理想複素素数の形式的な積のことだと解釈して、クンマーはフェルマーの最終定理をp=37,59,67を除いて、p<100に対して証明することができた
===================================