■平面代数曲線の決定(その2)

[Q]与えられた次数vの平面代数曲線を決定するのに何個の点が必要か?

 

[A]v(v+3)/2個

v=1の直線は2点によって決定される

v=2の2次曲線は5点によって決定される

v=3・・・14点

v=4・・・20点

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 2変数x,yの多項式f(x,y)=0で定義される曲線を平面代数曲線と呼びます。f(x,y)=0が2次式の場合、その一般式は、

ax2 +hxy+by2 +cx+dy+e=0

のごとく、項数6の多項式として書くことができます。2次曲線には楕円、放物線、双曲線があり、それらは円錐(必ずしも直円錐でなくてよい)を平面で切断したときの切り口として現れる一群の曲線、すなわち円錐曲線です。

 一直線上にない3点を通る2次曲線、3点を通る3次曲線はただひとつ存在しますが、それは座標軸の方向が定まっている場合であって、一般には、平面上の任意の位置にある5点が唯一の円錐曲線を決定します。ニュートンは「プリンキピア」のなかで5点を通る円錐曲線の作図法などを案出しながら壮大な天体力学を展開しています。

 同様に、3次曲線とはf(x,y)=0が2変数x,yの3次あるいは3次以下の方程式で与えられた曲線です。3次曲線の例としては、ディオクレスのシッソイド(x3 +xy2 =y2 )があげられますが、これは古代ギリシアにおいて立方体倍積問題に用いられた曲線です。また、

y=x3 +x2 +x+1

y3 =xy2 −2x2 y+y−3

なども3次曲線で、一般式の項数は10になります。

 4次曲線(項数15)とか5次(項数21)以上の高次曲線も考えることができますが、1900年当時まで、5次曲線までと3次曲面までのトポロジカルな分類は既に知られていたようです。2次曲面f(x,y,z)=0は楕円面、一葉双曲面、二葉双曲面、楕円放物面、双曲放物面のどれかに分類されます。また、3次曲面f(x,y,z)=0には無数に多くの直線がのっているか(その場合には線織面と呼ばれる)、そうでなければ、高々27本の直線しか含まないことが証明されています(サルモン,1884年)。

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