■スキューズ数(その6)
xより小さい素数の個数をπ(x)で表す。
Li(x)=∫(0,x)dx/logxとおくと、π(x)〜Li(x)
はじめはπ(x)<Li(x)であるが、あるNで、π(x)>Li(x)となり、それ以降では大小関係が無限に入れ替わる。
リトルウッドは1914年にこの有名な定理を証明した。この証明は背理法をつかっているので、最初にπ(x)>Li(x)が成り立つようなxがどれくらいなのかわからない。
1933年、彼の学生であったスキューズはリーマン仮説を用いて、
N<10^10^10^34
であることを示した。具体的にはexp(exp(exp(79))).
スキューズはリトルウッドの学生であった。彼は1955年にリーマン仮説を用いずにもう一つの限界を求めた。
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今日では、この数には歴史的興味しかない。
コーエンはN<10^10^529.7であることを示したからである。
レーマンはさらに改良して、1.53・10^1165と1.65・10^1165.4の間にある
少なくとも10^500個の連続した整数に対して、π(x)<Li(x)となることを示した。
すなわち、スキューズの定理を現代流に改良してみると、その数は10^1167まで下がってしまいました。
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のちの証明によればこれは10^300程度まで下がったけれども
学術的な役割はないのかもしれないが、これからも巨大数のランドマークとしてそびえたつであろう。
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