■メビウス関数とディリクレ級数(その46)

【1】素数の間隔分布

 素数定理により,x以下の素数はおよそ

  x/logx

ですから,x以下の素数間の間隔の平均はlogxとなるのですが,素数の間隔分布について知られていることは驚くほど少ないのが現状です.

 n番目の素数pnに対して,次の素数pn+1までの間にある合成数の個数を間隔と定義し,g(pn)とおきます.

  g(pn)=pn+1−pn−1

もし,素数間隔を差として定義するならば

  g(pn)=pn+1−pn

となり,1大きくなるだけのことにすぎません.

 nを任意の整数とするとn!は合成数で,連続したn−1個の整数

  n!+2,n!+3,・・・,n!+n

はすべて合成数となりますから,n!+2以下の最大の素数をpととすれば

  g(p)≧n−1

となって,g(p)はいくらでも大きくなりうることがわかります.

 素数定理より,g(p)/logpの平均値が1であることがわかりますが,リーマン予想を正しいものとして受け入れるならば,g(p)の上界が

  g(p)<kp^(1/2)logp

で押さえられることが示されています.

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