■超越数の探求(その4)

超越数論は

リンデマンがエルミートの考察の定式化を行い、次の結果をまとめた。

zが0でない代数的数のとき、e^zは超越数である。(エルミート・リンデマンの定理)

オイラーの恒等式e^iz=-1より、πの超越性が従う→古代ギリシャの円積問題における正方形の作図可能性は否定される。

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ヒルベルトの第7問題

代数的数α≠0,α≠1と有理数でない代数的数zに対して、α^zは超越数になるか?

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この問題は1934年、ゲルフォントとシュナイダーにより独立に肯定的に解決

したがって、exp(2πiz)=(-1)^2zはzが有理数である場合に限り、代数的な値をとることがわかる

シュナイダーの定理

→虚2次体でない任意の代数的数zに対してj(z)の値は超越数になる

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ベイカーの定理

α0,α1,・・・,αnが0と異なる代数的数で、logα0,logα1,・・・,logαnが有理数体上1次独立であるとき、

1、logα0,logα1,・・・,logαnは代数的数のなす体上1次独立になる。

ベイカーの定理の特別な場合として、エルミート・リンデマンの定理、ゲルフォント・シュナイダーの定理が従う

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ネステレンコはπとe^πとΓ(1/4)の代数的独立性を証明した

abc予想と対数1次形式との間にも密接な関係がある。

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