■メビウス関数とディリクレ級数(その26)
オイラーの関数φ(n)は1からn−1までの整数のうち,nと互いに素になるものの個数
φ(n)=#(Z/nZ)
として定義されます.たとえば,n=7の場合,1,2,3,4,5,6なのでφ(7)=6,n=10の場合1,3,7,9がそうなのでφ(10)=4となります.
1760年頃,オイラーは,数nが素因数p,q,r,・・・をもつときに,それらの重複度にかかわらず,
φ(n)=n(1−1/p)(1−1/q)(1−1/r)・・・
であることを示しました.この原理は「エラトステネスのふるい」によっているのですが,たとえば,10=2・5,44=2^2・11,100=2^2・5^2より,
φ(10)=10(1−1/2)(1−1/5)=4
φ(44)=44(1−1/2)(1−1/11)=20
φ(100)=100(1−1/2)(1−1/5)=40
また,任意の素数pに対して,
φ(p^n)=p^n(1−1/p)
したがって,
φ(p)=p(1−1/p)=p−1
となります.
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φ(15)=φ(3)φ(5)=8=15(1-1/3)(1-1/5)=8
φ(63)=φ(7)φ(9)=36=63(1-1/3)(1-1/7)=36
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φ(m)は,mと互いに素であり,mより小さい整数r,1≦r<mの個数として定義される.すなわち,φ(m)は1からm−1までの整数のうち,mと公約数をもたない数はいくつあるかを数えた数を表す.
m=9→1,2,4,5,7,8→φ(9)=6
m=10→1,3,7,9→φ(10)=4
φ(1)=1,φ(2)=1,φ(3)=2,φ(4)=2
φ(5)=4,φ(6)=2,φ(7)=6,φ(8)=4
φ(9)=6,φ(10)=4,
φ(p)=p−1
φ(p^a)=(p−1)p^(a-1)=p^a(1−1/p)
φ(m)=mΠ(1−1/pi)
φ(10)=10(1−1/2)(1−1/5)=4
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φ(p^m-1)/mを計算してみたい。p=2
m=2のとき、φ(3)/2=1
m=3のとき、φ(7)/3=2
m=4のとき、φ(15)/4
φ(15)=φ(3)φ(5)=8よりφ(15)/4=2
m=5のとき、φ(31)/5=30/5=6
m=6のとき、φ(63)/6
φ(63)=φ(7)φ(9)=36より
φ(36)/6=6
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m|φ(p^m-1)
は任意のmに対して成り立つ、トーション関数の奇妙だが重要な性質である。
φ(2^16-1)/16=2048
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