■メビウス関数とディリクレ級数(その13)
約数の和関数をσ(n)、オイラーのトーシェント関数をφ(n)とするとき、
ζ(s)ζ(s-1)=Σσ(n)/n^s
ζ(s-1)/ζ(s)=Σφ(n)/n^s
が成り立つ。
また、約数の和関数σ(n)について
σ(n)<exp(γ)nlnlnnがn>5040のすべてのnについて成り立つこととリーマン予想が真であることは同値である。
これらのことから、σ(n)、φ(n)のおおまかな上界と下界を求めることは意味があることであると考えられる。
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nの約数の総数の総和をσ(n)で表す.
n=Πpi^ei
という形に表すと
σ(n)=Π(pi^ei+1−1)/(pi−1)
で表される.
σ(n)の漸近的な振る舞い,すなわち,nを限りなく大きくしていくと極限状態において
(Σσ(n))/(n(n+1)/2)→π^2/6
(Σσ(n))/n^2→π^2/12+O(logn/n) (ディリクレ,1849年)
nの約数の数をオイラー関数φ(n)で表す.オイラー関数φ(n)はかなり変動する関数であるが,漸近的な振る舞いは
1/n・Σφ(k)/k=6/π^2+O(logn/n)
1/n^2・Σφ(k)=3/π^2+O(logn/n^2) (ディリクレ,1849年)
一般に,
Σφ(n)/n^s=ζ(s−1)/ζ(s)
Σφk(n)/n^s=ζ(s−k)/ζ(s)
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