■シンプルかつ深い(その1)
abc予想は数論の将来的な解明を方向づけるカギと考えられているシンプルかつ深い予想である。エステルレはもともと楕円曲線についてのスピロ予想から、マッサーは対数1次形式を用いた関数体上のメイソンによる解決からヒントを得て、a+b+c=0,(a,b,c)=1
max(|a|,|b|,|c|)<<N^(1+ε)
が成立するであろうと予想した。
abc予想からはrx^l+sy^m+tZ^n=0の整数解(x,y,z,l,m,n)を原理的に決定しうることから、ファルマーの定理、カタラン予想、モーデル予想、ロスの定理など、たくさんの重要な結論が導かれるのである。
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