■球面上の幾何学(その52)
任意の三角形に対して
tanα+tanβ+tanγ=tanαtanβtanγ
が成り立つ.
この式は
γ=π−(α+β)
として,tanの加法公式を用いることにより容易に証明される.役に立つかどうかは別として,私にとってこの公式は対称性のある美しい公式と感じられる.もちろん,美しく感じるかどうかは主観的であり,強制すべきものではないが,きっと多くの人の美意識にも訴えるに違いない(希望).
鋭角三角形ならば,算術平均≧幾何平均より
tanα+tanβ+tanγ≧33√tanαtanβtanγ
前項より,
tanαtanβtanγ≧33√tanαtanβtanγ
したがって,
tanαtanβtanγ≧√27=3√3
であるから,
tanα+tanβ+tanγ≧3√3 (等号は正三角形のとき)
を容易に証明することができる.
これについても
sinαsinβsinγ≦(3√3/2π)^3αβγ
な不等式が成り立つのだろうか?
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一般に,鋭角αi(i=1〜n),Πtanαi≦A^nならば
Σαi≦n・arctanA
が成り立つ.三角形の場合は
α+β+γ≦3・arctan(√3)=3・π/3=π
となって,
α+β+γ=π
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