■追跡線と追跡曲線(その5)

 正方形の4つの頂点の1匹ずつ犬がいる.それぞれ,同じ速さで隣の犬を追いかけたとする.それぞれの犬はいつも前方にいる犬に向かって同じスピードで進む.4匹の犬を結ぶ図形は回転しながら次第に小さくなる正方形になり,元の正方形の中心で出会うことになる.

[Q]このとき犬のたどる軌跡は?

[A]等角らせん

[Q]正方形の1辺の長さは30m,それぞれの犬は1m/sの速度で動くとする.犬達が正方形の中心で出会うのにどれくらいの時間がかかるか?

[A]等角らせんの伸開線と縮閉線は,もとの等角らせんと合同な等角らせんになる.犬の進む経路と正方形の1辺の長さは等しいからら,30秒.

===================================

【1】等角らせん

 等角らせんとは

  r=a^θ   (あるいはr=aexpbθ)

により表される曲線で,動径をいつも一定の角度で横切るという特徴があり,対数らせんとも呼ばれています.

[証]r=aexpbθ

の動径ベクトルは

  (x,y)=(aexpbθcosθ,aexpbθsinθ)

速度ベクトルは

  (vx,vy)=(aexpbθ(bcosθ−sinθ),aexpbθ(bsinθ+cosθ)

である.

 ここで,動径ベクトルと速度ベクトルのなす角は

  cosφ=b/(b^2+1)^1/2

であるから,φはθによらず一定である.

===================================