■追跡線と追跡曲線(その2)

【1】対数らせん

 アルキメデスのらせんr=aθに対して,対数らせんr=a^θは1638年にデカルトによって発見された曲線で,等角らせんと呼ばれることもあります.半径がつねに曲線と一定の角度をなしているからです.また,サイクロイドの伸開線はそれと合同なサイクロイドですが,対数らせんの伸開線もそれと合同な対数らせんになります.

 昆虫には太陽光線に対して一定の角度を維持しながら飛ぶという習性があり,(太陽光線は平行光線とみなせるので日中は問題ないが)夏の夜,街灯や集蛾灯の回りをぐるぐる飛び回る虫の飛跡は対数らせんとなります.

 対数らせんとは

  r=a^θ   (あるいはr=aexpkθ)

により表される曲線で,動径をいつも一定の角度で横切るという特徴があり,等角らせんとも呼ばれています.

 対数らせんは成長してもその形であって,ヤコブ・ベルヌーイはこのらせんがとても気に入っていた.そして,自分の墓碑銘に対数らせんを刻むように頼んだという.しかし,石工は対数らせんを間違って,アルキメデスのらせんr=aθを刻んでしまったというこぼれ話が残されている.

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