■2つのシャボン玉がくっつくと(その1)
コラム「等周不等式」では、シャボン玉はどうして丸いのかを扱った。 シャボン玉は表面張力が最小となる形状になるはずであるが、表面張力の総和は表面積に比例する。そのため、シャボン玉は表面積を最小にしようとして球体になるわけである。ここでは2つのシャボン玉がくっついた場合について考える
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原点O(0,0)を中心とする単位球と、半径r,中心C(c,0)の球が交わるとき、交わる部分の体積が一定のとき、交わり部分の面積を最小とする問題となる
2円で考えても同じなので、点O(0,0)を中心とする単位円と、半径r,中心C(c,0)の円が交わる
交点をP(a,b),Q(a,-b),θ=∠OCP,φ=∠COPとおくと
PQ/2=rsinθ=sinφ
交わり部分の面積S=2rθ=2θsinφ/sinθ
交わり部分の体積V=φ-cosφsinφ+r^2(θ-cosθsinθ)=φ-cosφsinφ+(sinφ/sinθ)^2(θ-cosθsinθ)
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ここでラグランジュ未定乗数法を用いる
f(θ,φ)=S-λ(V0-V)
∂f/∂φ=2/(sinθ)^2{θcosφ(sinθ+λsinφ)-λsinφsinθcos(φ+θ)}=0
∂f/∂θ=2/(sinθ)^3(sinθ-θcosθ)(sinθ+λsinφ)=0
∂f/∂λ=V0-V=0
したがって、
sinθ+λsinφ=0,cos(φ+θ)
が必要条件となり、φ+θ=π/2・・・2円が直交するとき表面積が最小となることが確認できる
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