■フバータル「線形計画法」(その7)
巡回セールスマン問題(TSP)とはn頂点の完全グラフKnのすべての頂点を回って戻ってくる最短ハミルトン経路を問う問題である.
[参]クック「驚きの数学巡回セールスマン問題」青土社
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【1】巡回セールスマン多面体
置換行列が完全2部グラフKn,nと対応するのに対して,巡回セールスマン多面体は完全グラフKnに対応している.
この多面体は(n−1)!/2個の頂点をもつnC2−n=n(n−3)/2次元の多面体である.
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【2】ハノイの塔
ハノイの塔とは3本の柱A,B,Cがあり,柱Aにある何枚かの円盤を1枚ずつ柱Bを中継点にして柱Cに移動させるものですが,柱が3本のとき→4本のとき→n本のときに一般化するのはもっと難しい問題になります.
[参]ハノイの塔,「離散数学のすすめ」第10章,現代数学社
にk本ハノイの塔問題の詳細がありますが,驚くべきことに,k≧4のときのk本ハノイの塔問題はいまだ解明されていません.
フレイム・スチュワートのアルゴリズムの移動回数M(n,k)は実験的にn=30程度まで調べられており,その範囲では実際に最小となることが確認されています.そのため,FSアルゴリズムが最小解を与えると信じられていますが,厳密な証明はされていないのです.
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【3】比較
巡回セールスマンの問題は,まともなアルゴリズム(表現が不適切)では計算量が指数関数的に増加する.しかし,このような問題は,大抵ヒューリスティック(発見的方法ともよばれる)により計算量が減らせる.
ハノイの塔は,このようなヒューリスティックな方法が全くないという絶望的なサンプルである.しかしながら,棒が4本以上の時はヒューリスティックな方法はあるとと思われる.本当にヒューリスティックな方法でもっと計算量を減らすことはできないものだろうか?
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