■いろいろな不等式(その41)
平面図形の等周不等式はL^2≧4πA,空間図形の等周不等式はS^2≧36πV^2で与えられる.与えられた体積を持つ凸体の中で、球体が表面積最小だとわかる。つまり、ブルン・ミンコフスキーの不等式から等周不等式が従うのである.
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【1】等周不等式
任意のn次元の等周不等式は,
S^n/V^(n-1)≧n^nvn (vnはn次元単位球の体積)
=n^nπ^(n/2)/Γ(n/2+1)=Cn
で表されます.
n次元等周比(Cn)において,とくに,n=2のときとn=3のときについては,
C2=4π,C3=36π
すなわち,
L^2≧4πS
S^3≧36πV^2
がわかります.以下,
C4=2^7π^2,C5=8/3*5^4π^2,C6=6^5π^3,・・・
となりますが,等周比が有理数(整数)×πの形となるのは,2次元・3次元だけのようです.
また,凸体Vを囲む曲面Sにおいて,平均曲率は,
H=1/2(1/R1+1/R2)
で定義されます.ここで,平均曲率の積分を
M=∫Hds
で表すと,ミンコフスキーの不等式
S^2−3VM≧0
M^2−4πS≧0
これから直ちに
S^3≧36πV^2
が導かれます.
ともあれ,3次元凸集合に対し,表面積をS,体積をVとすると,
S^3≧36πV^2
が成り立ちます.等号成立は球のときだけで,すべての立体中で球が表面積に対して最大の体積をもっています.
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