■アぺリの微分方程式(その7)
奇数ベキ級数の和ζ(2n+1)は未解決ですが、偶数ベキにならって、定数(無理数?)×π^s の形で書くと、ζ(3)=π^3 /25.79436・・・,ζ(5)=π^5 /295.1215・・・,ζ(7)=π^7 /2995.286・・・となります。
1978年、フランスの無名の数学者アペリによってζ(3)の無理数性が示されました。それを補ったのがポールテンです。ζ(3)が無理数であるという証明が発表されたとき、学会場はどよめきの渦に包まれ騒然となったそうですが、アペリは非常に話し下手であり、参加者の多くは半信半疑であったと伝えられています。
興味深いのは、アペリの証明が最先端の研究結果を使ったものではなく、オイラーが解決していたとしても不思議はないとされるような200年前にはすでにわかっていた定理や手法のみでの証明だったことです。アペリはマイナーな数学者とされていますが、今から考えると当時主流だった秀才数学者集団、ブルバキに押しつぶされた個性豊かな人物だったようです。
なお、いまだζ(3)が超越数であるかどうかは知られていませんし、ζ(5),ζ(7),・・・が有理数なのか無理数なのかもわかっていません。アペリの方法はζ(5),ζ(7),・・・の場合の拡張されるに至っていないのです。
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