■アぺリの微分方程式(その2)

 πが登場する級数としては

[1]π/4=1−1/3+1/5−1/7+1/9−・・・ (グレゴリー・ライプニッツ級数)

[2]π^2/6=1/1^2+1/2^2+1/3^2+1/4^2+1/5^2+・・・

[3]π^4/90=1/1^4+1/2^4+1/3^4+1/4^4+1/5^4+・・・

[4]π^6/945=1/1^6+1/2^6+1/3^6+1/4^6+1/5^6+・・・

[5]π^8/9450=1/1^8+1/2^8+1/3^8+1/4^8+1/5^8+・・・

[6]π^2/8=1/1^2+1/3^2+1/5^2+1/7^2+1/9^2+・・・

[7]π^2/24=1/2^2+1/4^2+1/6^2+1/8^2+1/10^2+・・・

などが有名である.

[6]+[7]=[2]

π^2/8+π^2/24=π^2/6

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 しかし,3乗や5乗など奇数乗についての類所の公式は知られて折らず,そのような公式は存在しないとさえ予想されている.

  1/1^3+1/2^3+1/3^3+1/4^3+1/5^3+・・・=1.202056・・・  (アペリーの定数)

 前述の例から考えると,これはπ^3の有理数倍ではないかと予想できるが,

  (1/1^3+1/2^3+1/3^3+1/4^3+1/5^3+・・・)/π^3=0.038768・・・

には循環する兆しが見えないのである.

 1978年に,アペリーはこの数ζ(3)が無理数であることを証明している.その証明はζ(3)に特化したもので,ζ(5)に拡張することはできない.

 また,2000年にズディリンとリヴォールが無限個のζ(2n+1)が無理数であること,2001年にはζ(5),ζ(7),ζ(9),ζ(11)のうち,少なくともひとつは無理数であることを証明した.しかし,この証明からは4つの数のうちどれが無理数であるかはわからないという.

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