■超越数とその仲間たち(その104)

 πの級数公式には1/πに収束するものもある.たとえば,ラマヌジャンの1/π公式(1914年)

  1/π=2√2/99^2Σ(4k)(1103+26390k)/(4^k99^kk!)^4

は長い間証明されなかった異色の式である.収束は速い.

 右辺のΣ以降はともかくとして

  2π√2=99^2/1103

だけでも,私にはその意味を見抜くのさえ不可能に思える.

 ラマヌジャンの式に刺激されて,チュドノフスキーの式

  1/π=Σ(−1)^n(6n)!(163096908+6541681608n)/(3n)!(n!)^3(262537412620768000)^n+1/2

が考案されている.

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 ラマヌジャンによる近似式としては

  (9^2+19^2/22)^1/4=π

  63(17+15√5)/25(7+15√5)=π

などがあるが,何らかの幾何学的な考察によっているようだ.

 前者は連分数のようにも見えるが,

  π^4=[97:2,2,3,1,16539,・・・]

  π^4〜97+9/22=9^2+19^2/22

となって,それが裏付けられる.

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