■超越数とその仲間たち(その63)

 リンデマンは,エルミートの方法を一般化して,πの超越性を証明するのですが,リンデマンの定理(1882年)より,

  e,π,e^(√2),e^α,log2,logβ      (α,βは代数的数で,α≠1,β≠1)

の超越性が導かれます.

 1900年,ヒルベルトはパリの国際数学者会議において,2^(√2)が超越数であるかどうかを当時の数学の問題のひとつとしました(ヒルベルトの第7問題).この問題は,「0または1でない代数的数αと有理数でない代数的数βに対し,α^βが超越数であることを示せ」というものですが,1934年,ゲルフォントとシュナイダーによって独立に,肯定的に解決されました.

 その結果,

  2^(√2),e^π,α^β,log102,logba

がいずれも超越数であることが判明しました.

 なお,

  e^π=(-1)^(ーi)

は,ゲルフォント・シュナイダーの定理によって超越数なのですが,

  π^e,π^π,e^e

は有理数かどうかもわかっていませんし,π+eは無理数かどうかも知られていません.

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