■エンドレスキューブとその仲間たち(その7)

[Q]同大の正多面体を環状につなぎ合わせるとき,ちょうどひとつの環になるのは?

 この問題は面で繋げることを想定したものであるが,辺で繋げることを考えるとおもしろい環ができる.エンドレスキューブは,環とはいっても正多面体を辺で密着させて,中央部の孔がちょうどなくなるようにしたものある.

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【1】エンドレスキューブ

 立方体を2×2×2に8等分する.8個の小立方体を8カ所で繋げる.連結の位置関係は実におもしろく,そのように繋げばバラバラになることなしに,6面×8個=48面すべてをみせることができる.

 適当な稜が蝶番でつながれた8つの立方体の輪は立方体(2×2×2)に折りたたむことができる.表の24面を裏返すと裏の24面が現れてくることを利用して観光地の写真を貼り付けてあるおみやげグッズもある.たとえば,表面24個にロンドンの観光写真を載せれば,裏面(隠れている面)24個にパリの観光写真を載せることができるのである.

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【雑感】これはエンドレスキューブと呼ばれているが,秋山先生はこのようなリバーシブルな等積変形多面体をすべて決定する試みをされている.昨年,パリ大学で行われた秋山先生の変身多面体の講義は,多くの研究者の関心を集めたようで,中にはアルゴリズムの研究から多面体の研究に鞍替えしたいという若い研究者も現れたぐらいだったそうである.

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