■ディオファントス・フェルマー・ワイルズ(その67)

オイラーはフェルマーの最終定理のn=3の場合、x^3+y^3=z^3に取り組むにあたって、恒等式

 (a^2+3b^2)^3=(a^3-9ab^2)^2+3(3a^2b-3b^2)^2

すなわち、p^2+3q^2の立方は同じ形式で表されること、p^2+3q^2がどのような仕組みで立方数になりうるかに焦点を定めた。

(a^2+3b^2)^3=p^2+3q^2

となるものが存在するというわけである。実際、p+q√(-3)=(a+b√(-3))^3,p-q√(-3)=(a-b√(-3))^3であれば、

 (a^2+3b^2)^3=p^2+3q^2,p=a^3-9ab^2,q=3a^2b-3b^2

である。

そこから無限降下法の段階に入ったのである。

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一般に、x+y√(-c)の形の数に対しては

x^2+cy^2={x+y√(-c)}{x-y√(-c)}

のように因子分解し、{x+y√(-c)}、{x-y√(-c)}の因子が整数であるかのように扱っているが、C=2,c=3については正しいのであるが,c=5の時は正しくない。

たとえば、21=(4+√(-5))(4-√(-5))=3・7の因子3,7についてはこの形にならないからである。

x^2+3y^2とx^2+5y^2の間の重要な差である。

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