■ディオファントス・フェルマー・ワイルズ(その22)
【1】コラッツ予想
任意の自然数nに対して
[1]nが奇数ならば,3n+1
[2]nが偶数ならば,n/2
にする.この工程(HOTPO手順,half or triple plus one)を繰り返し行うと常に1に到達するというのがコラッツ予想である(1930年代).
6→3→10→5→16→8→4→2→1
11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1
41から始めると
41→124→62→31→94→47→142→71→214→107→322→161→484→121→364→91→274→137→412→103→310→155→466→233→700→175→526→263→790→395→1186→593→1780→445→1336→167→502→251→754→377→1132→283→850→425→1276→319→958→479→1438→719→2158→1079→3238→1619→4858→2429→7288→911→1367→4102→2051→6154→3077→9232→577→1732→433→1300→325→976→61→184→23→70→35→106→53→160→5→16→1
・・・長くなったが,実行されたnに対しては必ず1で終結している.常に1に到達するためには,
16→8→4→2→1
のように,途中で2^nになる必要がある.したがって,
3n+1=2^m
を満たす解(n,m)をすべて求めよという問題を考えることができる.
コラッツ予想は要するに「自然数は3n+1と2のベキ乗の範囲内で二分木で一意に表される」という話なので,簡単に解決できてしまいそうな気がしてしまうが,はたして,このアルゴリズムは必ず終結するだろうか? 最後が1にならない数が存在することを証明できれば,自然数を結びつける新たなパターンから予想外の展開に繋がる可能性があるのだそうだ.
1960年代に,角谷静夫がこの問題を知り,母校のエール大学に広めたが誰も解決することはできなかった.最近証明が発表されたが,その証明は不完全であって,いまのところ未解決である.
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