■オイラー積と素数定理(その14)
[1]コッホの同値条件(1901年)
リーマン予想=「nとn+k√nの間に素数はある」ですが,
π(x)=Li(x)+O(x^1/2logx)
|π(x)−Li(x)|≦C・x^1/2logx
Li(x)=∫(2,x)dt/logt
もう少し精緻化すると,2657以上のすべてのxについて,
|π(x)−Li(x)|≦C・x^1/2logx
C=1/8π
が成り立つことと論理的に同等です.
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[2]ラガリアスの同値条件(2002年)
nの約数の和をσ(n)で表すと,リーマン予想は
σ(n)≦Hn+logHnexpHn
がn≧1に対して成立すると等価です.
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[3]ロバンの同値条件(1984年)
オイラーの定数γを用いると,リーマン予想は
σ(n)<expγnloglogn
がn>5040に対して成立すると等価です.
[2][3]は初等的な条件になっていて,さらに
Am=B(m+1)Hm/(m+1)-ζ’(-m)
にも調和級数のn次部分和
Hn =1/1+1/2+1/3+1/4+・・・+1/n
が関わっているのを見ると,リーマン予想との関係が想起されます.
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素数定理より,素数pとその次の素数との間隔は,平均してlogpですが,リーマン予想が真であれば,素数pとその次の素数との間隔は,ある定数Cを用いて
C√p・logp
以下であることが,1936年,クラメールにより証明されています.
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