■オイラー積と素数定理(その9)
【1】チェビシェフの偏り
[1]p=2でpは分岐する。
[2]p-1が4の倍数のとき、pは分解する
[3]p-3が4の倍数のとき、pは惰性的である
漸近的に素数が分解する確率と惰性的である確率は等しいのですが、チェビシェフの偏りと呼ばれる現象があり、大きいxまで惰性的素数と分解する素数を数えると、惰性的素数が少し多くなる傾向がある。チェビシェフは十分大きい数まで、4n+3型の個数の方が4n+1型の個数より多いことに気づいたのであった。
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[1]p=3でpは分岐する。
[2]p-1が3の倍数のとき、pは分解する
[3]p-2が3の倍数のとき、pは惰性的である
アイゼンシュタイン素数でもチェビシェフの偏りがあり、
100万までに分解する素数39175個、惰性的素数39322個
400万までに分解する素数49.9547%、惰性的素数50.0453%
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十分大きな任意のxに対して、π(x;4n+1)<π(x;4n+3)が成立するかについて、
[1]1914年、リトルウッドは無限回逆転が起こることを証明した。
x=26863
x=616841
[2]1962年、ナポウスキーとテュランは確率100%=ほとんどすべてのxに対して、π(x;4n+1)<π(x;4n+3)が成立すると予想しましたが、1995年、カゾルフスキーは一般化リーマン予想の仮定下で、π(x;4n+1)<π(x;4n+3)となるxの割合が収束しないことを証明し、彼らの予想は否定された。
[3]サルナックとルビンスタインは、一般化リーマン予想と一般化単純零点仮説を仮定することで、チェビシェフにより観察された偏りを証明した。4n+3型の素数の方が99.6%の確率で4n+1型の素数よりも多いことを示したのである。
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[4]しかし、これでチェビシェフの偏りが解明されたとはいえないと考える研究者もいる。偏りの大きさが無視されているからである.小山信也先生は深リーマン予想(オイラー積の収束範囲に関する予想)によって、これを解明した。
Σ1/√p-Σ1/√p〜7/2・loglogx
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