■オイラー積と素数定理(その5)

整数の世界では素数であったものが、ガウス整数の世界では素数にならなくなるものがあります。

例:13=(3+2i)(3-2i)=3^2+2^2

[1]2=(1+i)(1-i)と素因数分解される

[2]素数pが4n+1型素数であるとき、p=(a+bi)(a-bi)=a^2+b^2

[3]素数pが4n+3型素数であるとき、pはガウス素数となる。

例:

2=(1+i)(1-i)

3:ガウス素数

5=(1+2i)(1-2i)

7:ガウス素数

11:ガウス素数

13=(2+3i)(2-3i)

17=(1+4i)(1-4i)

19:ガウス素数

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[2]素数pが4n+1型素数であるとき、-1は平方剰余

[3]素数pが4n+3型素数であるとき、-1は平方非剰余p

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[1]12n+1型素数:13,37,61,73,97,103,・・・:ガウス分解かつアイゼンシュタイン分解

[2]12n+5型素数:5,17,29,41,53,89,101,113,・・・:ガウス分解かつアイゼンシュタイン惰性

[3]12n+7型素数:7,19,31,43,67,79,103,127,・・・:ガウス惰性かつアイゼンシュタイン分解

[4]12n+11型素数:11,23,47,59,71,83,107,131,・・・:ガウス惰性かつアイゼンシュタイン惰性

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【1】チェビシェフの偏り

[1]p=2でpは分岐する。

[2]p-1が4の倍数のとき、pは分解する

[3]p-3が4の倍数のとき、pは惰性的である

漸近的に素数が分解する確率と惰性的である確率は等しいのですが、チェビシェフの偏りと呼ばれる現象があり、大きいxまで惰性的素数と分解する素数を数えると、惰性的素数が少し多くなる傾向がある。

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